平ボデー解体マニュアル
目次
1. はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
2. 注意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3. 主要構造名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
4. 作業手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
4-1. 艤装品の取り外し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
4-2. ボデーをシャーシから取り外し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
4-3. ボデーの解体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
4-4. 鳥居の解体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
4-5. 煽の解体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
4-5-1. 木製煽・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
4-5-2. アルミブロック煽・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
4-5-3. 煽開閉補助装置の取り外し・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
4-6. 床の解体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
5. 分別処理の注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
6. トラックシャーシの解体時における灯火器等の電気配線の取り外し注意事項・・・18
1) 本解体マニュアルは、平ボデーの解体に関して、「適正で効率的な作業」を案内し、使用済み架装物処理の各段階で、適正且つ安全に処理するための手順をまとめたものです。
2) 本解体マニュアルは、解体に関する参考資料としてご提供するもので、実際の解体作業においては、解体業者様のご判断により作業を進めてください。
3) 本解体マニュアルに記載する内容は、予告もなく改定することがありますので予めご了承ください。
1. 安全な作業を行うにあたって、定められた作業服、作業帽、安全靴を着用し、作業内容に応じた保護メガネ、耳栓、防塵マスク等の保護具を着用してください。
2. 高所作業のついては、安全帯、足場の確保等転倒防止措置を講じて行ってください。
3. 燃料系の除去・回収に当たっては、消防法を遵守し、引火・爆発が発生しない環境下及び方法で行ってください。
4. 油脂・液体等の除去・回収に当たっては、地下浸透や施設外流出が発生しない環境下及び方法で行ってください。
5. タンク等の解体時は有害物等の除去・洗浄を完全に行い、安全を確保したうえで作業を行ってください。
6. 使用済み架装物に含まれる作動油の有害物質及び埋め立てが禁止されている蛍光ランプ等の部品・材料、並びにそれらを含む部品を破砕処理する前工程で選別し、適正に保管・処分を行ってください。
7. FRP・木材の解体後の処理については、シュレッダー業者、または専門回収業者に委託し、適正に処理を行ってください。
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3.主要構造物
品名 |
材質 |
備考 |
|
1 |
鳥居 |
SS・ステンレス・アルミ 等 |
|
2 |
サイド煽 |
SS・ステンレス・アルミ・木材 等 |
|
3 |
リヤ煽 |
SS・ステンレス・アルミ・木材 等 |
|
4 |
中間柱 |
SS・ステンレス・アルミ 等 |
|
5 |
蝶番 |
SS・ステンレス・アルミ 等 |
|
6 |
掛金 |
SS・ステンレス 等 |
|
7 |
台枠 |
SS・ステンレス・アルミ 等 |
|
8 |
床板 |
SS・ステンレス・アルミ・木材 等 |
|
9 |
横根太 |
SS・ステンレス・アルミ・木材 等 |
|
10 |
縦根太 |
SS・ステンレス・アルミ・木材 等 |
|
11 |
間座 |
ゴム・ハイプラ 等 |
|
12 |
Uボルト |
SS 等 |
|
13 |
サイドバンパー |
SS・ステンレス・アルミ等 |
|
14 |
リャフェンダー |
SS・ステンレス・アルミ等 |
|
15 |
灯火類 |
― |
|
3
※製造者社名ラベル(車体後面煽に貼付)
※製造番号ラベル(鳥居前外側に貼付)
※材料表示ラベル(鳥居前外側に貼付)
貼り付け位置
4
4.作業手順
4-1.艤装品の取り外し
1) サイドガード、フェンダー、工具箱、りん木入れ等の下回り部品を固定しているボルト・ナットを外し、横根太やシャーシフレームから取り外します。溶接で固定されている場合は、グラインダー等で切断してください。
2) 灯火類(テールランプ、マーカーランプ、作業灯等)のボルト・ナットを外し、ボデーより取り外してください。ボデーに固定されているハーネスも取り外して下さい。
3) 燃料タンクの取り外しは、計器類、ホース類等を取り外し、中の燃料をポンプ等で抜いてください。取付ボルト・ナットを緩め、締め付けバンドを取り外します。この際落下の危険性がありますのでタンクの下に台などを置いて落下防止に努めてください。燃料は適正に処理してください。
5
品名 |
材質 |
備考 |
|
1 |
フェンダー |
SS・ステンレス・アルミ 等 |
|
2 |
工具箱 |
SS・ステンレス・FRP・アルミ 等 |
|
3 |
タイヤキャリア |
SS 等 |
|
4 |
燃料タンク |
SS・ステンレス・アルミ 等 |
|
5 |
サイドバンパー |
SS・ステンレス・アルミ 等 |
|
6 |
りん木入れ |
SS・ステンレス 等 |
|
7 |
チェーン掛け |
SS・ステンレス 等 |
|
8 |
灯火類 |
― |
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6
1) 縦根太とシャーシフレームを連結しているUボルトの締め付けボルトを外します。
(片側3~7箇所)
2) 縦根太とシャーシフレームを連結している滑り止めの締め付けボルトを外します。
(片側2~6箇所)
3) クレーン等を使ってボデーを吊り上げ、シャーシフレームから降ろして下さい。
4-3.ボデーの解体
1)ボデーを鳥居、側煽、後煽、床に大別します。
2)鳥居はボルト、リベット、または溶接にて取り付けてあるためボルト類を取り外します。
リベットまたは溶接にて取り付いている場合は、グラインダー等で切断します。この時、鳥居が倒れないようにクレーン等で吊っておいてください。
3)側煽、後煽は台枠に蝶番ピン、ワッシャー、割りピン、Eリング等で連結されているため、蝶番ピンを外し蝶番本体を2枚に分けて台枠から取り外します。煽蝶番がボルトで固定されている際はボルトを取り外して、分離させてください。蝶番下部のヒンジが溶接で固定されている場合はグラインダー等で切断してください。
品名 |
材質 |
備考 |
|
1 |
鳥居 |
SS 等 |
|
2 |
側煽 |
アルミ・木材 等 |
|
3 |
後煽 |
アルミ・木材 等 |
|
4 |
床 |
SS・木材・アルミ・SUS 等 |
|
5 |
床枠 |
SS・アルミ・SUS 等 |
|
6 |
蝶番 |
SS・SUS 等 |
|
8
4-4.鳥居の解体
1) 鳥居のボデー側は全面又は半分ほど鉄板材、木材、アルミ等の異なる材質で覆われており、ビスまたはリベットで固定されています。ビスの場合は緩め、リベットの場合はドリルを用いてリベットの芯部に穴をあけることで容易に外れるため確実に取り外してください。
2) 鳥居枠材に溶接されている鉄板材は切断し鳥居枠材と取り外すか、鳥居枠材と適当な大きさに切断します。
番号 |
品名 |
材質 |
備考 |
1 |
板材 |
SS・木材・アルミ・SUS 等 等 |
|
9
4-5.煽の解体
3方開の場合、後柱が取り付いてありますので、各々の柱を床から引き抜きます。
※5方開以上の場合は中柱が取り付いていますので同様の手順で作業を行います。
番号 |
品名 |
材質 |
備考 |
1 |
後柱 |
SS・SUS 等 |
|
|
中柱 |
SS・SUS 等 |
|
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側煽、後煽各々が異なる材質の組み合わせの場合がありますが本マニュアルでは“煽”として解説します。煽の材質にはアルミや木材等の種類があり、本マニュアルではアルミブロック煽と木製煽の解体方法を下記に示します。
4-5-1.木製煽
1) 木製煽は外枠・蝶番・外板が金属、内板が木材になります。蝶番及び内板のボルト・ナットを外し外板と内板を取り外します。
2) 金属製の煽枠は適当な大きさ切断します。溶断機を使用して切断する場合、必ず内板(木材)を取り外してから切断してください。
番号 |
品名 |
材質 |
備考 |
1 |
内板 |
木材 等 |
|
2 |
外板 |
SS・SUS 等 |
|
3 |
煽枠 |
SS 等 |
|
4 |
蝶番 |
SS・SUS 等 |
|
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4-5-2.アルミブロック煽
1) アルミブロック煽は、リベット及びボルト・ナットで組み立てられています。リベットはドリルにてリベットの芯部に穴をあけることで容易に外れます。
2) 前後の掛金はボルト・ナットを内外両面又は外面から外し分離します。
3) コーナーポスト(縦材)のリベットを外し分離します。
4) 煽上部にある上枠のリベットを外し分離します。
5) 煽中間に部品が付いている場合は取り外します。
6) 煽本体の上下を貫通している通しボルトがある場合は取り外して下さい。その際、煽上面にナットが露出している場合は取り外し分解します。煽内部に通しボルトが隠れている場合、煽内側の裏板のリベットを外し内部に隠れているナットを外し、通しボルトを下へ引き抜きます。
7) 嵌合組立の場合は分解できないため、丸ノコ等で切断します。
8) 上下数本に分離した煽の合わせ目に、ゴムが挿入されている場合は引き抜きます。
9) 前後端に木材あるいは樹脂等が挿入されている場合は引き抜きます。
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4-5-3 煽開閉補助装置の取り外し
煽開閉補助装置のバネ、調整ボルトのロックナット、ナットを完全に緩め、バネが動かない状態にしてから煽開閉補助装置のアーム側取付ナットを緩めて取り外します。この場合は煽開閉補助装置が動かなくなり、煽が倒れる恐れがあるため煽の掛金は必ず掛けておいて下さい。アーム側を取り外してから煽開閉補助装置を止めているボルトを取り外します。
※バネの調整ボルトを緩めず、アーム側取付ナットを外すとアームが回転して危険です。
品名 |
材質 |
備考 |
アーム |
SS・SUS 等 |
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本体 |
SS 等 |
|
バネ |
SS 等 |
|
ナット類 |
SS 等 |
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4-6 床の解体
1) 床板は横根太にビスまたは釘で固定されています。ビスを全て緩め床板を外します。ビスが緩まない場合は丸ノコ等を使用し各横根太間で床枠を切断し、バールで剥がす、あるいはハンマー等で叩き割ります。
2) 鉄板等の床上張りを施工してある場合は事前に取り外してください。
3) 床板下に金属または樹脂の下張りがある場合は同時に取り外して適当な大きさに切断して下さい。
4) 床板端部の縁巻がビス、溶接等で床枠に固定されている場合は同時に取り外します。
5) 床板の下に床板が入りこんでいる場合、8)の床枠の分解時に床板を取り除きます。
6) 床板上が金属張り場合は床枠へのビス止め部または溶接部を切断します。
7) 床上材は床板と接着剤又は両面テープで固定されているので、接着剤を破壊しながら端部よりバール等で剥がしてください。ビス等で固定されてる場合は頭を一文字キリで座ぐります。
8) 骨組みなった床から左右及び後の床枠を取り外してください。
9) 床枠と横根太ボルト見立ての場合、ボルト・ナットを取り外し、床枠を分離します。溶接組立の場合、適当な箇所で切断し個枠を取り外してください。
10)床枠に煽蝶番がボルト止めされている場合、ボルト・ナット取り外し、蝶番取り外します。
11)横根太・縦根太ボルト組立の場合、ボルト・ナットを取り外し横根太と縦根太分離します。この時連結材も各々より取り外します。溶接組立の場合、適当な箇所で切断し分解します。
12)縦根太下面にスペーサーボルト類で取り付けてある場合、ボルトを緩め取り外します。
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※通常ボデーの多くを占め使われている処理困難物としての木材の量の目安は、架装仕様にもよりますが、おおよそ大型が500㎏、中型が350㎏、小型が200㎏程度になります。
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5. 分別処理の注意
1) 分解した部品は、材質別に分別し適正にリサイクル処理してください。
2) 環境負荷物質を含む部品等については、確実に取り外し適正な処理に努めてください。
環境負荷物質使用部品事例は車体工業会ホームページを参照してください。
3) FRP、断熱材、木材の解体処理については、車体工業会ホームページ「処理協力業者一覧表」を参照し適正に処理してください。
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6. トラックシャーシ解体時における灯火器等の電気配線の取り外し注意事項
1) 灯火器等の取付位置が架装側にあり、電源類はシャーシから供給されています。
2) シャーシ・架装物の取り外しに当たり、適切な位置でハーネス等を外してください。
3) 灯火器類には保安基準で定められた物、任意で取り付けたものがあり、一般的な例ではハーネス位置、コネクタ位置を記載します。
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名称 |
ハーネス種類 位置 |
ハーネス取出し位置 |
コネクタ位置 |
備考 |
保安基準適用灯火 |
リヤコンビランプ バックランプ ライセンスランプ |
シャーシメーカーハーネス エンドクロス部 |
シャーシフレームエンド付近より上方荷台へ立ち上げしクランプ |
ランプ直近 |
一部シャーシメーカはシャーシ・ランプ間のサブハーネス有り |
サイドフラッシャー |
シャーシメーカーハーネス ホイールベース間 |
№2クロスメンバー付近、シャーシフレーム内左、左右より上方荷台へ立ち上げしクランプ 一部シャーシメーカーは№3~№4クロスメンバー付近 |
ランプ直近 |
一部シャーシメーカはシャーシ・ランプ間のサブハーネス有り |
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任意取付品 |
鳥居作業灯 鳥居行灯 |
架装メーカー配索 予備電源より |
シャーシメーカーハーネスの予備電源コネクタより給電 №2クロスメンバー付近よりフレーム内を前方へ、鳥居直下より上方へ太仕上げ |
ランプ直近 |
サブハーネス有り |
サイドマーカー 路肩灯 |
架装メーカー配索 予備電源より |
予備電源コネクタより給電、付近より上方荷台へ立ち上げ №2クロスメンバー付近 |
予備電源取出し位置 |
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